金融業界では、「都市銀行の合併によるメガバンクの誕生」「系列を超えた提携」「金融商 品の共同開発・共同利用」など、誰もがこれまでには想像もしなかったような大きな変革が 起きている。

これは21世紀産業としてのクレジット&カード業界においても同様で、「外資系企業に よる日本企業買収」「異業種からの新規事業参入」「中堅信販会社合併による大手信販会社の 誕生」「系列グループにおけるグループ統一商品の開発」「ノンバンクに対するライセンス提 供」など、生き残りをかけた戦いがすでに始まっている。

こうした変革の時代、クレジット&カード業界において重要なことは、業界のインフラで ある情報システムネットワークの効率性、安全性、そして信頼性をさらに高めつつ、より一 層の顧客サービス向上に努めることである。そのためには、より業界のことを理解し、変え ていく必要がある。

ここの目的は、これからクレジット&カード業界を目指す学生の方、業界の動向に関心の ある方、あるいは自分のビジネスに役立ててみたいといった方などを対象に、新しい時代の 「景気と経済のリーディング産業」としての役割をになうクレジット&カード業界の全貌を わかりやすく伝えることにある。

ここでは、クレジット&カード業界が歩んできたこれまでの歴史、それを支えている企業 (信販会社、銀行系クレジット会社、流通系クレジット会社等)、商品、テクノロジー、顧客 サービス、システムなどの現状と課題についての基本的な事柄を簡潔にまとめている。

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プリベイド、デビット、クレジットのカードの違い

クレジットに関連したカタカナ用語は多いが、決済における基本的な言葉として、プリペイド、デビットクレジットの三つについて、ここで整理しておこう。

プリペイドというのは、読んで字のごとしで、事前に(Pre)支払いをすませて(paid)いる「前払い」を意味している。プリペイドカードの例としては、JRのイオカードやオレンジカード、NTTのテレホンカードが代表的だ。これらは、事前に支払いをすませた金額の範囲内で利用可能なカードとなっている。最近では、このプリペイドのデータをICカードに記憶させたテレホンカードなども登場している。


国際カードには五つのカードがある

ビザ、マスターカード、アメリカン・エキスプレス (アメックス)、ダイナース、JCBの五つがカードの国際ブランドである。独自の海外加盟店ネットワークと決済システムを構築しており、海外でも利用できるカードということが国際ブランドの基本的インフラストラクチャー(産業・経済基盤=インフラ)である。

これら五ブランドの全世界における会員数の総合計は、一丸九九年で二五億七〇六一万人と、昨年実績の二五・九%増という好調な伸びを示している。とくに、好景気が続くクレジット先進国のアメリカや、ラテンアメリカ、ヨーロッパ地域が好調だ。


提携カードの仕組みと急増の理由

提携カードとは、クレジットカード会社とメーカーや販売会社などの企業が提携して発行しているカードのことである。

百貨店との提携や有名ブランドショップとの提携ばかりでなく、スポーツクラブ、大学、ホテル、航空会社、石油元売会社、パソコンショップ、テーマパークとの提携カードなどが発行されている。

最近話題になっている提携カードの代表的なものには、日本航空と信販系カード(オリコ)との提携カードで、マイレージを2倍に活用できる「JALポインテージカード」や、東京・お台場のショッピンクタウンと信販系カード(オリコ)との提携カードである「ヴィーナスフォートカード」、池袋のサンシャインビル内のテーマパークであるナンジャタウンを運営するナムコと信販系カード(オリコ)との提携カードであるエンターテインメントを追求した「ナジャヴ倶楽部カード」などがある。